Elin:悪戯のキズアミ/バッカーのコメント

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ここでは、悪戯のキズアミを願ったElinの支援者から寄せられたメモを掲載しています。

はじめに

こんにちは、Elinプレイヤーの皆さん。

最近、お気に入りの神について思いを書き綴るのが流行っているようで、私も同じように、私なりの視点からキズアミの紹介を書いてみようと思います。 もちろん、公平な視点とは言えないでしょうし、長文になると思いますが、頑張ります。

悪戯のキズアミ

では、この神のどこが良いのか?

キズアミは、ペット使いのプレイスタイルに適した神です。姫、ポケモントレーナー、リーダーなど、さまざまな呼び名があります。

要するに、プレイヤーは直接攻撃を行わず、後衛として味方を強化したり敵を弱体化させたりするスタイルということです。忠実な仲間とともにあるにせよ、使い捨ての召喚獣とともにあるにせよ、プレイヤーはサポート役となります。

この点を踏まえると、キズアミのボーナスの意図が明らかになります。魅力はより多くの仲間を集められるようになり、召喚魔法を強化します。

速度と運は、プレイヤーが後衛から状況の変化に素早く対応できるようにします。

魔力制御は、味方への誤射の心配なく大勢の仲間を率られるようにします。ベータ版でプレイヤーの魔力制御が味方の魔力制御に加算されるようになったため、キズアミ信者はハウンドや影などの味方を安全に率いることができます。

最後に、暗記です。パーティー全員に常にバフをかけるのは、魔法のストックを大量に消費します。

姫プレイをするなら、誰かを従わせる必要があります。そこで、白狐が攻撃ペットとしてその役割を果たします。

そして最後に、神のアーティファクト「小狐丸」で、あなたはサポート役に徹し、直接ダメージを与える能力を失う代わりに、味方全員のバフを大幅に強化します。

また、まだリリースされていない3つ目の神の能力/恩恵で、プレイスタイルに関する懸念のいくつかが解消されることを期待していますが、それは未来の話です!

彼のプレイスタイルは癖が強いので、キズアミの話題になるとどうしても賛否両論に分かれてしまいます。

私が視聴した配信者の方々や、読んだ議論の中にも、彼を嫌がり、恩恵が弱いと思っている人もいれば、それをうまく活用しているキャラクターでプレイしている人もいます。

どちらもいいじゃないですか! 万人受けしようとすると結局誰にも受けないけど、その独自性を強調すると、狙った層以外にも作品の魅力が伝わるかもしれません。キズアミのプレイスタイルは、生半可な気持ちではできないので、そこがいいですね。

歴史

私は数年間、Elonaとその派生作品をプレイしてきました。その間、主に2つの問題点に気づきました。

・ボス級のモンスターは、他の要因に関係なく、75%の確率で状態異常を無視するため、デバフの使用が非常に限られていました。

・ほとんどのバフはプレイヤーに限定されていたため、鼓舞や癒しの雨など、仲間をサポートする手段が限られていました。

この要因とその他の要因により、ペット使いのプレイスタイルは困難でした。そのため、バッカーウィッシュで神を創造する機会が来た時すぐに、いかにして回復以外のサポート役のプレイスタイルを促進できるかを考えました。

例えば、味方がアイテムを自動的に装備し、共有コンテナから物資を受け取れるようにするなど、Elinは大規模パーティーの管理を容易にする多くの要素を導入しています。モンスターの孵化育成や遺伝子合成のような他のシステムも味方の戦力を大幅に強化し、間接的にキズアミの力を高めてくれました。

バフやデバフは多くのゲームで軽視されているというのが私の経験ですが、それは当然のことです。結局のところ、「死こそ最高の状態異常」なのです。バフやデバフに価値を持たせるためには、敵にダメージを与えるのと同等の価値が必要なのです。素早く敵を倒せるのであれば、デバフにこだわる必要はないでしょう。Elinは、Elonaのシステムから脱却することでバフやデバフに価値を持たせることに大きく前進し、キズアミのプレイスタイルを実現可能にしました。

仲間

キズアミ信者の中心となるコンセプトは、仲間への依存です。例えば小狐丸の欠点は固定ですが、仲間を一人増えるごとにキズアミのボーナスは強化されます。私が訴えたいのは、忠実な家臣団に守られた王女のファンタジーです。あるいは、死霊術師がアンデッド妹の軍隊を率いているような。もし彼と戦うことになれば、彼が指揮する軍勢とも戦わなければなりません。

ミラージュβがすぐにファンネルの大群を召喚すれば、どれほど厄介でしょう!


もちろん、簡単なことではありません。キズアミ信者は仲間みんなを兄のように面倒を見なければなりません。

皆に食事を与え、装備を整え、誰も戦いに付いて行けなくならないようにきちんと鍛えなければなりません。多くのパーティーシステムが現在自動化されているとはいえ、それでも把握しなければならないことがたくさんあり、圧倒されることがあります。耐性のパズルを組むのは、1キャラ分でも十分厄介ですが、9人分となるとどうでしょうか?

結局のところ、軍にとって最大の懸念は兵站です。キズアミ信者にとって最大の戦いは台所にあると言われています。

1人分の美味しい食事を用意するだけでは不十分で、全員に食事を用意しなければなりません。


また、自分を守ってくれる他人を当てにするのは、誰もが望む選択肢ではありません。

時には、あなたの軍隊は賢明な行動を取らないでしょう。時には「なぜ彼はそんなことをしたのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。時には、あなたの後衛が前衛に立っていることに気づくこともあるでしょう。

設計上、戦闘では味方も敵も完璧な行動はしません。両軍がミスを犯すことで、そこにつけ込む余地が生まれるのです。NPCの行動を「完璧」にすることは簡単ですが、考えてみると、敵が常に理想的な行動を取るようでは面白くないですよね?


また、無抵抗になることによる心理的な影響もあります。小狐丸を装備解除するだけで、生死を分けることもあります。

パーティーに貢献している実感が、敵と直接対峙するプレイヤーほど明白ではないため、何もしていない、自分は重要ではないと感じることもあります。

後方支援は誰にでも向いている仕事ではありません。そのような場合は、キズアミの妹であるホロメの方が適しているかもしれません。

この小刀はその主と同じように二面性があり、祝福でもあり呪いでもある。

白狐について

白狐のデザイン用に私が用意した参考画像。 明言されたことはないものの、私は白狐とメイド狐が姉妹であることを強く主張したいと思います。典型的なミフ/ネフとは逆に白狐は大きく豊満で、メイド狐は小柄で可愛らしいです。Elinコミュニティの人たちはそういったことを自然と理解しているようです。

白狐は、キズアミ信者と相乗効果を発揮する攻撃的なアタッカーとなることを意図しています。追放者も魔法アタッカーなので、追放者のコピーにだけはしたくありませんでした。そのため、代わりに範囲攻撃魔法を習得させています。白狐は単体へのダメージは低いですが、混雑した通路やモンスターハウスに攻撃を撃ち込むことを想定しています。範囲攻撃魔法の射程は10マスほどなので、うまく位置取りをすれば一度に多くのターゲットを攻撃できます。

光線のMPコストの高さや、白狐の他の特徴も、キズアミ信者として彼女を支援するようプレイヤーを促しています。プレイヤーの支援がなければ、白狐は攻撃を維持できず、すぐにマナが尽きてしまいます。

その後、彼女には単体攻撃のサポートが必要だというフィードバックを受け取りましたが、矢の魔法は使わせたくありませんでした。その結果、彼女にはファンネルを召喚する能力が与えられ、キズアミのテーマを強化し、小狐丸の恩恵を受けられるようになりました。

当初は、彼女の神の使いとしての高貴さと地位を強調するために「命婦(みょうぶ)」と呼ぼうと考えていましたが、あまりにも古風だというフィードバックを受け、現在は「白狐」と呼ばれています。

呪われた装備品から魔法の経験値を得る能力は、呪われたアイテムを有用なものにする試みです。Elonaでは、食べ物は腐ってしまえば価値がありませんでしたが、クミロミのリサイクル能力は、役に立たないものを再び有用なものにしてくれました。

同様に、Elonaにおける呪われた装備品は、有用性が非常に限られていました。巻物やポーションのようなアイテムは、呪われていても工夫次第で使い道がありますが、装備品の場合はそうもいきません。呪われた装備品はすぐに売られてしまうか、そもそも拾われないかのどちらかです。それは大きな無駄のように感じられたので、私はプレイヤーにこれらのアイテムを集める理由を与え、呪いを有益な祝福に変える理由を与えたかったのです。量は多くありませんが、冒険をたくさんする人は、長い目で見れば、最終的に多くの呪われた装備品を見つけることになります。

テーマ

ここからが、キズアミがキズアミたる所以について述べる部分です。

先に言っておきますが、ここから先は客観的なものではなく、ナルシスト的で偏った意見に聞こえるかもしれません。もしあなたが彼のゲーム上の性能にしか興味がないのであれば、読むのをやめても構いません。

また、これはすべて非公式であることを覚えておいてください。実際の背景設定はNoaさんによって決定されます。これは、私がキズアミを思いついたときに頭に浮かんだことであり、ネフのバッカーと話し合った結果です。


結論から言うと、キズアミは二面性を持つ神です。

彼は祝福と呪い、神聖属性と地獄属性の両方を支配しています。彼は妹のホロメを愛していますが、からかったりもします。彼に祈りを捧げれば、祝福される可能性と同じくらい呪われる可能性もあります。もしキズアミの像があるとしたら、それはランダムな効果をもたらし、そこから貰える報酬は、罰を受けるリスクを冒してでも手に入れたいぐらい強力で魅力的なのでしょう。

イルヴァの神々は、人間的な善悪の概念に固執しませんが、キズアミは単に退屈することが嫌いで、常に興味深く予測不可能なことを探しています。そのため、彼は常に人間の営みに立ち戻ります。彼は『Rimworld』のランディ・ランダムのように、興味深ければ、あなたが勝っても負けても構わないのです。人間が自分の祭壇を占領しても、彼を楽しませてくれるのであれば気にしません。ひとりの人間の人生というドラマは、国家全体のドラマに劣らず、どちらも同様に彼の興味を引くものなのです。

神々の時間軸で考えれば、長命のエレアの存在でさえ、風に吹かれる燃えさしにすぎません。

その小さな空間の中で、彼らは古典的な7つの感情、すなわち喜び、怒り、心配、恐怖、愛、憎しみ、憧れをすべて経験します。

人間の命は予測不可能な方法で燃え盛ります。だからこそ、彼は神の規則で許されるギリギリのところまで近づき、できる限り人々の生活に干渉するのです。


彼は、あなたの行く手を阻んで、あなたがどう対処するのかを見守るような神様です。願わくば、面白い興味深い方法で対処してほしいと思っています。

キズアミの捧げ物が集めにくいという単純な事柄が、ドードーのバーテンダー牧場から銅スクラップの採掘、そして長い工程を経て最終的に麺に変えるという、ありとあらゆる独創的な解決策を生み出す結果となりました。冬の海に出て溺れずに塩を集めたり、パンを叩いて銅製の麺を作ったり、小麦や米を盗んでトラブルに巻き込まれたりする人々を見て、彼はきっと大いに楽しんでいることでしょう。

キズアミの呪いを、異なる視点からアプローチすることで祝福に変えるようなプレイヤーたちの創造性は、ElonaとElinの高い自由度によって可能になるものです。

性格

願いの一部として私が提供した参考資料のひとつ。彼の王子としての側面が強調されています。

イルヴァの7柱の主神たちは、現代日本のメディアに慣れ親しんだプレイヤーにとって、すぐに識別できる典型的なキャラ付けをされています。

ニュアンスの違いこそあれ、キャラクターデザインやセリフの一部を聞けば、その神がどのような人物なのかを正しく推測することができます。

その意味で言うと、キズアミは乙女ゲームのキャラクターによくある要素を組み合わせたキャラです。

礼儀正しい言葉遣いや立ち居振る舞いの裏で悪戯心を隠しているお兄様や王子様。二面性があり、予測不可能な人物なので、ある時は優しくサポートしてくれるのに、次の瞬間にはからかったりいじめたりします。些細なことを非常に堅苦しい言葉遣いで話し、重要なことを気楽な口調で話し始めます。

あなたが腹を立てて「この…この…!」と指をさしても、彼はあなたの頭をなでて「かわいいやつだ」と言うでしょう。そうされて、純粋に怒ったままでいることなんて不可能です。彼はまた別の感情と出来事の嵐であなたをさらい、人の生涯が見せるあらゆる色彩を体験するのに忙しく、そもそも何であなたを怒らせてしまったのかを思い悩む時間なんてありません。

こういったキャラ属性とそれらに期待される要素の共通認識があるため、ゲームのアーティストは参照画像を見ずともドンピシャのキャラデザインを作成してくれました。感謝しています。

たとえ、母性愛に満ちた爆乳の妹に人気で敵わないとしても、キズアミは間違いなく正しい層にヒットしているとSNSの反応を見て分かったので、満足しています。

ゲームのアーティストによるキズアミの最終デザイン(右)。参考資料に描かれた王子のような風貌とは対照的に、ずっと現実的で親しみやすい雰囲気があり、地元の神のような雰囲気があります。 妹(画像左)と同じように、2人ともイルヴァの他の人々から忘れ去られた時代から来たような外見で、現代社会から離れた人々から信仰されているようです。 とてもクールで、下位の神である彼にぴったりです。

ホロメとの関係について

Kickstarterの期間中もその後も、ネフのバッカーと協力して狐族の包括的で統一感のある世界観を作り上げたことは、最も印象に残る経験のひとつでした。狐の神々が兄弟姉妹であるという関係性を発展させることは、私たちがうまく協力し合えたため、スムーズに進めることができました。

それをどう表現すればいいでしょうか。自分がごく普通の男で、妹が有名なアイドルになったと想像してみてください。

誰もが彼女の優しい話し方や母性あふれる性格、そしてもちろん、その大きな胸を愛しています。彼女はあなたよりもずっと人気者です。

でも、この有名なアイドルがかつて少女だったことを覚えているのはあなただけです。

どんなに時が経っても、妹を保護し、からかう対象としてしか見ることができません。その穏やかで母性的な態度の裏には、恥ずかしがり屋で、大人になっても甘いものが大好きだという少女の姿があることを、彼は知っています。

そんな関係性なのではないでしょうか。

みんなのママの役を演じるのは、それなりに大変なことですからね。時には子供扱いされて、誰かに頼れる側の存在になるのもいいかもしれません。特に、毎日たくさんの子供たちの世話をしなければならない場合は。

「ホロメがお供えのお菓子を受け取る」というキズアミのセリフには、こんな裏話があります。

ネフのバッカーと最初に話し合った際には、ホロメが捧げ物としてお菓子を受け取る予定でしたが、Elinではお菓子は卵料理、加工食品、クッキーなど、さまざまなカテゴリーに分けられています。神様はカテゴリー単位で捧げ物を受け取るのですが、「お菓子」というカテゴリーがないため、代わりに魔法杖を受け取っているのだと思います。

責任感のある母親として、ホロメがいつもお菓子を食べている姿は見せられないのですが、キズアミから見れば、どんなに人気者になっても妹は妹です。

たまには少しだけお菓子を食べてもいいのではないでしょうか?

(2025/05/26 追記)2025年2月のアップデートで、ホロメは「クッキー」カテゴリのアイテムを捧げ物として受け付けるようになりました。どうやら、この望みは叶ったようです。

ユフについて(2025/05/26 更新)

アーリーアクセスがリリースされてから、ユフの詳細な設定がいくつか公開されてきました。彼はきょうだいの中で最年長であり、その肉体と魂は切り離され、封印の地であるネフの里とミフの里で眠っています。


イルヴァの第六紀に巻き起こった悲劇について、この状況を引き起こした原因の一部が明らかになりました。

まだ明かされていない部分もありますが、noaさんがこの物語の全容を実装した際にプレイヤーからどのような反応があるか、非常に楽しみにしています。

結論

紹介はこれくらいでいいかなと思います。キズアミと信仰の要素は、良くも悪くも強い意見を引き起こすので、私は満足しています。

悪戯の神の視点では、「何が最強か」「何が最も効率的か」「何が最も道徳的に正しいか」ではなく、「何が最も面白いか」が問題なのです。その哲学が、小狐丸がキズアミ唯一のアーティファクトでありながら、深刻な欠点を持っていることにつながっているのです。


最後に、noaさんとLafrontierの皆さんに、このような素晴らしいゲームをリリースしてくださったこと、そして設定の作成に参加する機会を与えてくださったことに、感謝の意を表したいと思います。

追加のコメント(2025/05/26)

こんにちは。前回の記事を書いてから今日までの間に、Elinの設定に影響を与えるような大規模な願いを寄せた他のバッカーたちと話をしていました。

同時に、noaさんは設定資料を補足する複数の赤い本やその他の資料をリリースし、私もキズアミの哲学やキズアミの教えがどのようなものなのかという質問をいくつか受けました。

興味深いのは、イツパロトルなどの主神たちであっても、信者がどのように振る舞うべきかについては多くの暗示的な情報があるものの、彼らの宗教の教義について明確な情報はまったくないということです。

ルルウィが自由を重んじるなど、推測しやすいものもありますが、より曖昧なものもあります。パルミア・タイムスやゲーム内のさまざまなキャラクターも、信者たちが取るさまざまな行動の例を紹介していますが、それが彼ら自身の意思によるものなのか、それとも宗教によって義務付けられているものなのかは明確ではありません。

その理由は推測できます。プレイヤーのロールプレイの自由度をあまり制限せず、同時にプレイヤーが望むプレイを選べるようにするためです。

しかし、他のバッカーたちとの議論の中で、キズアミの教えとは一体何なのかという疑問が浮上し、私はしばらくそれについて考えてみました。

基本的な考え方

最近、キヌの固有会話に以下の2つの台詞が追加されました。

「私たちは祝福でもあり、呪いでもあります。見方を変えれば、弱さもまた強さに変わるのです。」

「命に死がなく、天に地獄がなく、出会いに別れがなく、喜びに悲しみがない世界など、存在しないのです。」

この2つの言葉はキズアミの教えを象徴していると思います。

祝福と呪い

赤い本「人に混ざり生きる狐」では、キズアミは人の世にいる間、金継ぎで生計を立てていました。金継ぎを知らない人のために説明しておくと、金継ぎとは、割れた磁器などを漆と金粉で補修する日本の伝統技法です。

その品物が愛され長らく使われてきたことを引き立て、そしてその傷を美しく際立たせることで持ち主との唯一無二の歴史を思い起こさせるというのが、この技法の考え方です。

キズアミは雇った障害者を癒すのではなく、障害を克服し、他人の重荷にならないように技術を身に着けるよう指導しました。

誰もが自分自身に欠点と思われる部分を持っています。従来の主神たちの教えは、その欠点を取り除くこと…つまり、悪い癖は正し、病は癒し、悲しんでいる人を慰める、という印象があります。

しかし、キズアミの観点からすれば、たとえそれが悪であり欠点であるとしても、自分の一部を矮小化することなく取り除くことはできません。ならば自分の欠点が長所になるように状況を変えた方がいいのではないでしょうか?不幸な現実を変えることはできなくても、その状況に対する見方や行動を変えることはできます。

そうすれば、状況を好転させることができます。欠点は取り除かれるわけではありませんが、新たな視点と状況におくことで、賞賛されるべき長所になるのです。

この良い例のひとつが、小狐丸の効果によるプレイヤーの与えるダメージ無効化で、かたつむりプレイヤーが塩に耐性を得たことです。Elinのアーリーアクセスリリースから6ヶ月が経った今でも、プレイヤーはキズアミのユニークな仕様やその活用方法について、興味深く思いがけない相互作用を発見しています。

死のない命などない

ファンタジー世界の作品では、神々や長命種でさえ他種族の寿命の短さを受け入れられない、というのがよくあるテーマです。わざと距離を置き、親密な関係を結ぼうとしないこともあれば、愛する人を延命させるために様々な工夫を凝らす作品もあります。

キズアミは、狐のように人間と親密な関係を築いているイメージでしたが、上記の命題に対する答えはとてもシンプルです。

「時間を稼ぐことに必死になって、今ある時間を一緒に過ごすことをおろそかにしてはいけない」。

死を人生の一部として受け入れ、別れの悲しみは出会いの喜びの代償であると理解すること――それは彼のような神が、死すべき運命にある恋人や友人を良い思い出としてそっとしまっておくための方法なのです。メランコリックで宿命的な「どうしようもない」という精神ですが、その世界のあり方を壊れていて残酷だと思い、変えたいと願ったユフとは対照的です。

このテーマに行き着いた大きなきっかけのひとつは、Battaさんの『ゲドウ』シリーズ[1]を読んだことです。その同人シリーズでは、人間の夫の老いと死を受け入れられない狐が登場します。彼女は人間の夫の老いと死を受け入れることができず、次第に執着的な行動がエスカレートしていき、結果的に彼の家族全体を意図せず破壊してしまうのです。

キズアミの教えは、そういう事態を防ぐためにあるのです。死や悲しみは防ぐべきものではなく、深く愛する人を手放すことで安らぎを得るために通過するものなのです。

この観点から見ると、キズアミが司る属性が神性と地獄であることは非常に理にかなっており、生死や輪廻を超えてユフの魂を幽閉するという行為に重みを与えています。

クミロミもまた、死と生の輪廻をテーマにしている神ですが、感情や霊的な力よりも、自然界に関連する側面をより多く扱っていると思います。

イツパロトルとオディナの物語や、クミロミとエヘカトルの関係を見れば、関係者全員にとって、死や別れがどれほど深いトラウマになっているかがわかるでしょう。私は、この哲学、つまり、死は生に対して支払われるべき価値ある代償であるという受容があればこそ、神は人間の喜怒哀楽に触れられるほどの深く有意義な交流を安全に行うことができるのだと思います。

悲しみもなく、どうやって喜びを理解できるというのでしょう?

そして、悲しみは永遠ではありません。ミフの里の桜は、その美しさと同じくらい儚い命ですが、また次の年になれば戻ってきます。

結論

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。以上、これまでに公開された赤い本の背景や、キヌやミフの里の人々が話す台詞について、少しでもご理解いただけたなら幸いです。

プレイヤーを制限する意図はありませんが、興味を持ち、自身のゲームプレイや二次創作に使用したいと考える方々のために、設定資料についてより完全な理解を提供することを目的としています。

  1. 注:R-18作品。未成年の閲覧はご遠慮ください